Udemy 新コース: 作って学ぶMicrosoft 365 Copilot Chat !

DLPポリシー | Power Platform

Power Platform は柔軟性・拡張性が高いだけでなく、安全性も高いサービスです。

Power Platform では様々なデータにアクセスができるように、サービスで提供されている連携の仕組み (API) を簡単に利用できる形式にして提供しています。この様々なデータにアクセスできる API のラッパー (Wrapper) 1として、コネクターが利用できます。

APIのラッパー(Wrapper)
  1. APIのラッパー(Wrapper)とは、異なるデータソースやサービスにアクセスするためのインターフェースを提供するコードやライブラリのことです。ラッパーは、複雑なAPI呼び出しを簡素化し、統一された方法でデータを取得・操作できるようにします。
    例えば、複数の異なるAPIからデータを取得する必要がある場合、各APIの仕様や認証方法が異なることがあります。ラッパーを使用することで、これらの複雑さを隠し、統一されたインターフェースを提供することで、開発者が簡単にデータを扱えるようになります。
    具体的な利点としては以下のようなものがあります:
    簡素化: 複雑なAPI呼び出しを簡単なメソッドに置き換える。
    再利用性: 一度作成したラッパーを他のプロジェクトでも再利用できる。
    保守性: APIの変更があった場合、ラッパーを更新するだけで済む。 ↩︎

ただ、様々なITのスキルレベルの方が利用する Power Platform だからこそ、その管理者は、誰かが誤って データを持ち出さないようにするガードレールを敷いておく必要があります。

このガードレールの仕組みとして、データ損失防止 (Data Loss Prevention) ポリシー (DLP ポリシー) という機能が提供されています。

今回はそのDLPポリシーについて紹介します。

コネクターのグループ化とブロックを提供する

DLP ポリシーとは、コネクターのグループ化とブロックを提供する機能です。

DLP ポリシーを利用すると、コネクターを以下の3種類に分類することができます。

DLP ポリシーで分類できるグループ

DLPポリシーで分類できるグループは、コネクタを分類するだけでなく、データの持ち出しを制限することができます。以下はその3種類のグループです。

データグループ説明
ビジネスビジネス用として位置づけるコネクタ。
イメージとしては、 Dataverse, SharePoint, Office 365, Microsoft 365 Outlook など。
非ビジネス業務に利用しないコネクタを分類する。
イメージとしては facebook, X, DropBox, Google Drive など。
他にも、OneDrive for Business ではない OneDrive や Outlook などのコネクタも分類する。
ブロック済みどのような場合でもブロックする対象のコネクタ。
ブロックできないコネクタがあり、現在24コネクターがその対象。

DLP 戦略の確立 – Microsoft Power Platform – Power Platform | Microsoft Learn

この分類はどのように機能するかというと、以下のようなイメージです。

環境ごとにそれぞれのグループにコネクターを配置することで、グループ内のコネクターのデータ連携を許可します。

このDLPポリシーは環境ごとに設定することができます。

一方で、異なるグループ間、つまりビジネスと非ビジネス間のコネクター間のデータの持ち出し、また単純にブロックすることでそのコネクターにはデータの持ち出しを禁止することができます。

新しいコネクター

Power Platform には新しいコネクターが提供されます。

新しいコネクターが提供されると、既定ではすべてのコネクタが非ビジネスグループに配置されます。そこから設定に応じて、ビジネスまたはブロック済みに変更できます。

DLPポリシーを編集して、コネクタの初期分類を変更することもできます。

コネクタの分類 – Power Platform | Microsoft Learn

ブロックできないコネクター

実は、DLP ポリシーでブロックできないコネクターがあります。

Microsoft Enterprise Plan の標準コネクタや Office のカスタマイズシナリオをサポートするコネクターや、Microsoft Power Platform の基本機能(Dataverse、承認、通知など)を支えるすべてのコネクターは、ユーザーが重要な機能を問題なく使い続けられるようにするため、ブロックすることができません。

これらのコネクターはビジネスデータグループまたは非ビジネスデータグループに分類することができます。

以下は、ブロックできないコネクターのリストです。24コネクターがブロックすることができません

Microsoft Enterprise Plan 標準コネクタコア Power Platform コネクタ
Defender for Cloud Apps承認
Dynamics 365 Customer Voice通知
Excel Online (Business)Dataverse (レガシ)
KaizalaDataverse
Microsoft 365 GroupsPower Apps 通知 (v1 および v2)
Microsoft 365 Groups Mail (Preview)Microsoft Copilot Studio
Microsoft 365 Outlook
Microsoft 365 Users
Microsoft Teams
Microsoft To-Do (仕事)
OneDrive for Business
OneNote (ビジネス)
Planner
Power BI
SharePoint
Shifts
Skype for Business Online
Yammer

ブロックできるかできないかはDLPポリシーの編集画面のこの列で確認できます。

DLPポリシーを設定できる権限

テナントレベルのポリシーと環境レベルのポリシーがあります。

テナント レベル ポリシー

テナントレベルのポリシーを設定するには、以下のEntra ID の権限が必要です。

  • グローバル管理者
  • Power Platform 管理者
  • Dynamics 365 管理者

テナント管理者は、テナント レベルのデータ ポリシーの 3 種類のスコープを定義できます。

テナントレベルのDLPポリシーを適用する環境のスコープには、以下の選択肢から選ぶことができます。

オプション名説明
すべての環境に適用するすべての環境に適用する。
例外なく、テナント全体に適用する必要があるデータ ポリシー ルール用です。
複数の環境に適用する
(すべてではない)
選択した複数の環境に適用する。
全ての環境を選択したとしても、
新しく追加される環境はにしたとしてもすべてではない。
特定の除外された環境を
除くすべての環境に適用する
特定の除外された環境を除くすべての環境に適用する。
テナント管理者は通常テナント全体にデータ ポリシーを
定義しますが、特定の環境は除外します。除外された
環境の場合、テナント管理者はオプション 2 で
説明されているように、代替データ ポリシーを
定義して複数の環境に適用できます。

データ ポリシーの管理 – Power Platform | Microsoft Learn

  • すべての環境を追加する
  • 複数の環境を追加する
  • 特定の環境を除外する

このテナントレベルのポリシー (テナント全体に適用、複数の環境に適用、特定の環境を除外して適用) でブロックされていると、そのコネクターは別のポリシーで許可していてもテナントレベルのポリシーが優先されブロックされます。

テナントレベルのポリシーも継承されて適用されます。

例えば、テナントレベルポリシーでブロック、環境レベルDLPポリシーで許可されていたとしても、ブロック判定となります。

新しく環境が作成された時にも、このポリシーをうまく利用することで対応することができます。

すべてを対象の場合と、特定の環境を除く、でDLPポリシーを作成すれば、新しく作成された環境にも適用することができます。

環境レベルのポリシー

環境レベルのポリシーは、一度に 1 つの環境に対して定義できます。 特定の環境のDLPポリシーを設定するには、その環境の以下のDataverse のセキュリティロールが必要です。

  • システム管理者
  • 環境管理者

環境管理者は、テナント レベルのポリシーから自身の環境を除外することはできません。 したがって、テナント管理者が定義した環境を対象とするすべての制限は、個々に環境用に定義した任意の環境レベル ポリシーに加えて引き続き適用されます。

テナント レベルのポリシーを持つテナント管理者と同様に、環境管理者は環境に複数の環境レベルのポリシーを定義できます。

環境管理者は複数の環境を管理する場合がありますが、環境レベルのポリシーに複数の環境を含めることはできません。 管理する環境ごとに個別の環境レベルのポリシーを定義する必要があります。

ポリシーとスコープを表示する – Power Platform | Microsoft Learn

このDLPポリシーの概念を理解して、安全なPower Platform 環境を整えましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Index