2026 年 10 月更新:最新のライセンスガイドに合わせて、価格、Hosted Process、従量課金、AI Builder クレジットの終了と Copilot Credits の関係を追記しました。Copilot Studio の「GitHub Copilot ハーネス」は、2026 年 10 月 28 日に Microsoft Copilot harness という名前になったので、本文は新しい名前に直しています。
はじめに
「どのフローを実行するのか」から逆算してライセンスを選べば OK です
Power Automate のライセンスは一見複雑ですが、考え方自体は非常にシンプルです。
① どのコネクタ(標準 or プレミアム)を使うか
② どの種類のフローを実行するか(クラウド / デスクトップ / RPA)
この 2 点が決まれば、自動的に必要ライセンスは決まります。
さらに運用で押さえるべきポイントは次の 3 点です。
- 標準コネクタだけで動く → Microsoft 365 ライセンスのみで OK
- プレミアムコネクタを使う → Power Automate Premium などが必須
- RPA(デスクトップフロー)を使う → RPA 用ライセンスが必須
業務シーン別の例(ライセンス検討の目安)
- 営業・SFA 連携
見積承認の自動化、リード割り当て、商談ステージ更新通知。
よく使うコネクタ: SharePoint、Outlook、Teams(標準) / Salesforce、Dataverse(プレミアム)
想定フロー種類: クラウドフロー(承認 / 自動 / スケジュール)
→ Salesforce や Dataverse を使うなら Premium - カスタマーサポート
問い合わせからチケット起票、SLA 期限の自動リマインド、エスカレーション。
コネクタ: Outlook、Forms(標準) / ServiceNow、Zendesk、Dataverse(プレミアム)
フロー種類: クラウドフロー(自動 / 承認)
→ ServiceNow / Zendesk は Premium - 人事・総務
入社オンボーディング、備品申請、勤怠データ取りまとめ。
コネクタ: SharePoint、Excel Online、Planner(標準) / SAP、Workday(プレミアム)
フロー種類: クラウドフロー(承認 / 自動)
→ SAP / Workday を使う場合は Premium - 経理・財務
請求書 PDF の収集・仕分け、会計システムへの転記、入金消込補助。
コネクタ: OneDrive / SharePoint(標準) / SAP、Oracle、Dataverse(プレミアム)
フロー種類: クラウドフロー + デスクトップフロー(RPA)
→ Web 画面転記やレガシーアプリ操作は RPA ライセンス(必要に応じ Unattended 追加) - IT 運用・ガバナンス
アカウント申請の承認、グループ自動付与、ログの集約・アラート。
コネクタ: Microsoft Entra ID、Teams、Exchange(標準) / ServiceNow、Datadog(プレミアム)
フロー種類: クラウドフロー(自動 / スケジュール)
→ 外部運用ツール連携は Premium を要検討 - 製造・物流
検査結果の入力 → 不良発生時の是正処置依頼、在庫閾値での自動発注。
コネクタ: Excel Online、SharePoint(標準) / Dataverse、SAP、Dynamics 365(プレミアム)
フロー種類: クラウドフロー(自動)+ RPA(グリーンスクリーン操作など)
→ 基幹システム連携は Premium、レガシー操作は RPA
その自動化、Power Automate と AI エージェントのどちらで作る?(判断の分かれ目)
ライセンスを選ぶ前に、そもそも Power Automate で作るべきかを確かめましょう。いまは Copilot Cowork や Copilot Studio のエージェントでも仕事を自動化できます。次の順に答えていくと、どれを使うかが決まります。
- 手順が決まっていて、分岐も「もし〜なら」の条件で書ける?
→ はい:Power Automate(クラウドフロー/デスクトップフロー)。毎回同じ結果になり、一番確実です。 - いいえ(文章を読んで判断する、途中で計画を変える必要がある)→ 個人の仕事?
→ はい:Copilot Cowork。開発なしで、スキルを使って仕事を任せられます。 - 組織のみんなで使い、履歴やデータを組織で見たい?
→ はい:Copilot Studio(Microsoft Copilot ハーネス)。計画してやり直すエージェントを、組織で共有できます。 - 決まった流れの小さな仕事や FAQ を、エージェントで受け付けたい?
→ 多くの人が使い、使われ方を追いたい:Copilot Studio(標準ハーネス)/チームの数人で使う:Agent Builder - SaaS の解約や外注費の削減など、1 件で大きな効果が出るアプリが必要?
→ はい:GitHub Copilot で Power Apps の Code Apps を開発し、裏の処理は Power Automate で動かします。
| 判断の基準 | Power Automate | AI エージェント(Cowork・Copilot Studio) |
|---|---|---|
| 手順 | 決まっている | その場で考えて決める |
| 結果 | 毎回同じ | 内容によって変わる |
| 入力 | 決まった形のデータ(フォーム・表・ファイル) | 文章・メール・資料など、形が決まっていないもの |
| 失敗したとき | エラーで止まり、原因を追える | 別のやり方を試す(Microsoft Copilot ハーネス・Cowork) |
| 費用 | ライセンス(ユーザー・フローごと)か、実行の回数 | Copilot Credits(使った分) |
迷ったら:「手順を書き出せるか」で判断します。書き出せるなら Power Automate、書き出せず「判断」が要るならエージェントです。エージェントの中でも、決まった手順の部分はエージェントフローや Power Automate に任せると、費用と結果が安定します。
AI の道具の使い分けは、こちらの記事でロングテールの図を使って詳しく説明しています。
以下では Power Automate ライセンスの全体像を整理します。
最新の公式ライセンスガイドはこちらからダウンロードできます。最新情報や正式な回答はこちらを確認しましょう。
英語のライセンスガイドのほうがより最新です。
Power Platform
Copilot Studio
Power Automate ライセンスの基本構造
クラウドフローの利用条件
クラウドフローでは、以下のいずれかの方法で利用できます。
- Microsoft 365 に含まれる Power Automate 機能
Microsoft 365(例:Business Standard や E3/E5)には、標準コネクタのクラウドフロー実行権が含まれています。 - Power Automate(Premium)ライセンス
プレミアムコネクタ(Salesforce、ServiceNow、オンプレミス接続など)を利用する場合に必要です。
ライセンスの種類
① Power Automate Premium
最も一般的な Power Automate ライセンスです。プレミアムコネクタの利用と クラウドフローの無制限実行が可能です。
- プレミアムコネクタ利用可
- クラウドフロー実行無制限
- オンプレミスデータゲートウェイに接続可能
② Power Automate Process ライセンス
特定の業務フロー(1 本のフロー)を組織内で共有しながら動かすためのライセンス。 ユーザー単位ではなく「プロセス(フロー)」単位でライセンスします。
③ RPA(デスクトップフロー)用ライセンス
Windows(Power Automate Desktop)を自動操作する「RPA(ロボット)」を動かす場合のライセンスです。
仮想マシンを自分で用意したくない場合は、Microsoft がホストする仮想マシンが付く Power Automate Hosted Process も選べます。
- Attended RPA:ユーザーがログインしている状態でロボット実行
- Unattended RPA:無人実行(追加アドオン必須)
価格(2026 年 10 月時点)
Microsoft が公開している米ドルの定価です(月額、年払い)。契約や地域で変わり、予告なく変更されることがあります。
| ライセンス | 価格 | 使える範囲 |
|---|---|---|
| Power Automate Premium | $15/ユーザー/月 | クラウドフローを無制限に。プレミアムコネクタ、有人の RPA(1 ボット)を含む |
| Power Automate Process | $150/ボット/月(環境ごと) | 1 つのフロー(ボット)に付ける。使う人が何人でもよい。無人の RPA も動かせる |
| Power Automate Hosted Process | $215/ボット/月(環境ごと) | Process に、Microsoft がホストする仮想マシン 1 台が付く |
| 無人 RPA アドオン | $150/ボット/月(環境ごと) | Premium などに足して、無人の RPA を増やす |
| 従量課金 | クラウドフロー・有人の RPA:$0.60/実行 無人の RPA・ホストされた RPA:$3.00/実行 | プレミアムのフローの実行の回数だけ、Azure サブスクリプションに請求。標準コネクタだけのフローは対象外 |
AI Builder と Copilot Credits(2026 年 11 月からの変更)
- 2026 年 11 月 1 日から、新しく買う・更新する Power Automate Premium・Process などに、AI Builder クレジット(5,000/月)が付かなくなります。手元のクレジットは、契約の期間が終わるまで使えます。
- フローの中の AI Builder(文書の読み取り・プロンプトなど)は、AI Builder クレジットが無くなると Copilot Credits を使います。どちらも無いと止まります。
- 一方で、Power Automate のクラウドフローそのものは Copilot Credits を使いません。Copilot Credits を使うのは、Copilot Studio の「エージェントフロー」です。
出典:End of AI Builder credits、Billing rates and management(Microsoft Learn)
誤解しやすいポイント
Microsoft 365 の Power Automate と Premium の違い
- M365:標準コネクタのみ利用可能
- Premium:Salesforce などのプレミアムコネクタがすべて利用可能
- Premium でないと Dataverse をフル活用できない
フロー作成者と実行者の違い
- プレミアムコネクタを使ったフローは、実行者も Premium が必要
- 共有されたフローは、共有された側のライセンスにも影響
Dataverse for Teams 環境と開発者環境の廃止で、ライセンスが必要になるフローもあります。Power Apps のライセンスとあわせて確かめておきましょう。
どのライセンスを選ぶべき?
Power Automate Premium が向いているケース
- プレミアムコネクタを利用したい
- 業務アプリ(Dataverse)と連携したい
- 外部サービス(Salesforce, SAP, ServiceNow 等)と統合したい
RPA ライセンスが向いているケース
- Windows アプリの自動化が必要
- Excel マクロの代替・強化をしたい
- 無人処理(Unattended)で夜間バッチ処理を行いたい
公式ライセンスガイド(最新版 PDF)
内容は更新されるため、必ず最新 PDF を確認してください。
最新の公式ライセンスガイドはこちらからダウンロードできます。最新情報や正式な回答はこちらを確認しましょう。
英語のライセンスガイドのほうがより最新です。
Power Platform
Copilot Studio
ライセンスが決まったら、クラウドフローを作ってみましょう。新しい UI に対応した講座です。
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