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Power Platform / Copilot Studio における生成AIのモデル変更を最小限に抑える

2025年8月に、OpenAI が GPT-5 に関するリリースを発表しました。

GPT-5 のご紹介 | OpenAI

これにより、Power Platform 側での GPT 対応モデルの変更について歓喜される方も多い一方、ご懸念を持たれた方も多いのではないでしょうか。

GPT-4o、GPT-4.1 などの過去のモデルが廃止される可能性があることから、Power Platform や Copilot Studio にて生成AIの機能を活用しているユーザーにとっては、強制的なモデル変更が発生するのではないか、という懸念です。

OpenAI GPT-5について
  • OpenAI GPT-5 の概要と特性
    GPT-5 は、リアルタイムルーターによって ‘thinking’ モデルと ‘chat’ モデルを使い分ける統合型システムです。精度、応答速度、推論力が大幅に向上しており、特にコーディング、ライティング、ヘルスケア領域での性能が強化されています。
    OpenAI: Introducing GPT-5 3
  • GPT-5 for Developers における API 提供と制御パラメータ
    「GPT-5 は API 上で ‘gpt-5’, ‘gpt-5-mini’, ‘gpt-5-nano’ の3サイズで提供され、開発者は応答の詳細度(verbosity)や推論の深さ(reasoning_effort)を制御可能です。ツール呼び出しの精度や長期的なエージェントタスクへの対応力も向上しています。」
    OpenAI: Introducing GPT-5 for Developers 4

Power Platform / Copilot Studio におけるモデル変更の流れ

Microsoft Copilot Studio においては、新機能の早期アクセスを有効化している環境から順次、新しいモデルが追加または既存モデルと置き換えられていく仕組みとなっています。

新モデルの提供に関しては、OpenAI の発表と同時、または数週間後に適用されるケースが多く、事前にロードマップが公開されることはほとんどありません。

このような背景から、開発者や運用担当者は、モデル変更のタイミングを予測することが難しく、突然の変更に備える必要があります。

モデル変更に対するオプトアウト機能

今回の GPT モデル変更に伴い、Copilot Studio では基盤モデルに対して 30日間のオプトアウト機能が提供されました。

Copilot Studio におけるモデルのオプトアウト機能

Copilot Studio では、AI モデルの自動アップグレード後も、最大 30 日間、旧モデルを使用し続けることが可能です。設定ページで『Continue using retired models』を有効にすることで、モデルの切り替えを制御できます。

Microsoft Learn: Continue using a retired AI model 

この機能をエージェントに対して有効化することで、旧モデルを最大 30日間使用し続けることが可能となります。

この猶予期間を活用することで、以下のような対応が可能になります。

  • 新モデルへの移行前に、既存エージェントの動作確認や精度検証を実施
  • 顧客向けの影響範囲の整理と説明資料の準備
  • 必要に応じてプロンプトやフローの調整

AI Builder における対応策

Power Platform にはもう一つの生成 AI 機能として AI Builder が存在します。こちらには Copilot Studio のようなオプトアウト機能は提供されていませんが、Azure AI Foundry でデプロイした AI モデルを持ち込む機能(Bring Your Own Model:BYOM)が利用可能です。

一般提供されました

https://learn.microsoft.com/ja-jp/ai-builder/byom-for-your-prompts

BYOM を活用することで、以下のようなメリットがあります。

  • 使用するモデルのバージョンを明示的にコントロール可能
  • 独自のチューニングを施したモデルを活用できる
  • モデル変更による予期せぬ挙動の回避

まとめ

GPT モデルの進化は目覚ましく、精度や応答性の向上が期待される一方で、Power Platform におけるモデル変更は開発・運用に少なからず影響を与えます。Copilot Studio のオプトアウト機能や AI Builder の BYOM 機能を活用し、柔軟かつ計画的な対応を進めることが重要です。

今後も OpenAI や Microsoft の動向を注視しながら、エージェントの品質と安定性を保つためのベストプラクティスを模索していきましょう。

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