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Dataverse Search の設定を有効にする

こんにちは!今回は、Copilot StudioやPower Appsのモデル駆動型アプリで活用できる「Dataverse 検索」の設定方法についてご紹介します。

はじめに

Dataverse 検索を有効にすると何が嬉しいのか?

Dataverse 検索を有効化すると、Dataverse をデータソースやナレッジとして追加した際に、インデックスが作成され、より高精度な検索結果が得られます。

インデックスとは

検索のインデックス(index)とは、検索エンジンが情報をすばやく見つけるための「目次」や「索引」のようなものです。

特にDataverse 検索では、より高精度な検索結果が得られるように セマンティックインデックスを構成します。

セマンティックインデックスとは

セマンティックインデックス(Semantic Index)とは、単語の意味や文脈を理解して、より賢く情報を整理・検索できるようにするインデックスの仕組みです。通常のインデックスが「キーワードベース」なのに対して、セマンティックインデックスは「意味ベース」で情報を扱います。

つまり総合すると以下のようなメリットが挙げられます。

Dataverse 検索の主なメリット

  1. 高速で正確な検索
    モデル駆動型アプリで、分類された検索よりも優れたパフォーマンスを発揮し、迅速かつ正確な検索体験を提供します。
  2. 入力時の候補表示
    キーワードを入力すると、関連性の高い結果がすぐに表示され、目的の情報を素早く見つけられます。
  3. 柔軟なマッチング
    検索語の中の任意の単語に一致するデータを探せます。従来の「簡易検索」では、すべての単語が同じ列にある必要がありましたが、Dataverse 検索はより使いやすい仕組みです。
  4. スマートな検索
    「stream」「streaming」「streamed」など、単語の活用形も認識して検索します。
  5. 活動データも検索対象
    ノートや添付ファイルを含む活動データも検索できます。
  6. データ型の理解
    「選択」や「検索」などのデータ型を解釈し、複数語を含む検索クエリも正しく処理します。
  7. 高度な検索演算子
    単純なブール演算子を使って、より精度の高い検索クエリを作成できます。
  8. AIによるインテリジェンス
    スペルミス、略語、類義語などを自然言語として解釈し、質の高い検索結果を提供します。
  9. ドキュメント全体を検索
    PDF、Office ドキュメント、HTML、XML、ZIP、EML、テキスト、JSONなど、幅広いファイル形式に対応。ノートや添付ファイル内のテキストも検索可能です。
  10. 生成AIエクスペリエンスの基盤
    データを整理・処理することで、エージェントがより正確で適切な回答や分析を提供できるようになります。

エージェントの検索体験を向上させることで業務効率がグッと上がります。これはぜひ有効化しておきたい機能ですね!

検索の設定手順

概要

環境で生成AIの機能を有効化されていることを確認する

Power Platform 管理センター

Dataverse 検索を有効化する

Power Platform 管理センター

簡易検索ビューで検索対象の列と結果を設定する

Power Apps 作成者ポータル

ソリューションにてインデックス対象テーブルを設定する

Power Apps 作成者ポータル

既定で有効になっている環境とそうでない環境

現在、プロダクション環境(実稼働環境)では既定で有効になっています。
ただし、開発環境やテスト環境など、その他の種類の環境では手動で有効化する必要があります

それでは、具体的な設定手順を見ていきましょう!

Dataverse 検索設定手順

Step 1:生成AI機能が有効か確認する

まずは、対象の環境で生成AI機能が有効になっているかを確認しましょう。これが前提条件になります。

Power Platform 管理センター > 環境 > 生成 AI 機能 で確認できます。

オプション: 環境グループでのまとめての管理

環境グループまたは環境に対して生成AIを有効にすることができます。こちらは基本的には既定で有効になっています。

Step 2:Dataverse 検索を有効化する

次に、環境設定からDataverse 検索を有効化します。これにより、CopilotがDataverseを検索対象として扱えるようになります。

以前の検索設定

以前の検索設定では、生成AIを利用したインデックスが生成されておらず、キーワード一致に対する検索機能が提供されていました。

Step 3:簡易検索ビューの設定

簡易検索ビューで以下の設定を行います。

  • 検索対象の列を指定する
  • 応答結果として表示する列を設定する

簡易検索ビューはソリューションからアクセススッることができます。 Power Apps 作成者ポータルにアクセスし、ソリューションで対象のテーブルにアクセスして、ビューの中から簡易検索ビューを選択します。

フィルター基準、検索対象の列 (次で検索)、検索結果として返ってくるデータの列 (真ん中のプレビュー画面) が検索結果に影響します。

それぞれの説明は以下のとおりです。

設定項目説明
フィルター基準行レベルでの制御に利用します。フィルター基準を設けることで、ビューの中でアクティブなレコードだけ利用することや、ビジネスプロセスフローで対象のステージに居るレコードのみを検索の対象にすることができます。
次で検索検索対象の列です。これに追加した列のインデックスにより検索を行います。
プレビュー画面検索結果として返ってくるデータの列です。次で検索でヒットした結果がエージェントに渡されます。

Step 4:ソリューションにてインデックス対象のテーブルを設定する

Power Appsの作成者ポータルにアクセスし、対象のテーブルを検索インデックスに追加します。

ソリューションの概要タブから、検索インデックスの管理に進みます。

テーブルごとに有効にします。検索対象としたいテーブルにチェックを入れて保存します。

インデックスが作成されるまでにかかる時間

Dataverse 検索の構成または検索可能なデータに加えられた変更は、検索サービスに表示されるまでに15 分程度かかる場合があります。

大規模な変更や初期インデックスの作成には、場合によっては完全な同期が完了するまでに 1 時間以上、あるいは数日かかる場合があります。

制限事項

Dataverse 検索のインデックスを作成できるテーブルの数に制限はありませんが、Dataverse 検索に対して有効にできる フィールドの総数には環境ごとに制限があります。

Dataverse 検索では、既定で 50 個のフィールドにインデックスが作成されます。 組織の検索可能なフィールドの最大数は 1,000 であるため、最大 950 の検索可能なフィールドを構成できます。

Dataverse 検索に関する仕様

Dataverse 検索は現在、Power Platform 管理センターで使われている「RelevanceSearch」インデックスを利用して、すべてのモデル駆動型アプリにおけるグローバル検索をサポートしています。

今後は、「DataverseSearch」として提供される新しい仕組みに移行し、関連性インデックスセマンティックインデックスの両方が含まれるようになります。

これにより、Copilot Studio やその他の Power Platform の機能におけるエージェントの応答品質や知識体験がさらに向上します。

ストレージ容量について

すべての Dataverse インデックスは、Dataverse のデータベース容量レートに基づいて計測されます。 この変更により、ストレージの使用量が増加する可能性があります。

Dataverse 検索によって利用可能になる機能

Dataverse 検索を有効にすることで、以下のような機能やエクスペリエンスが利用可能になります:

  • Microsoft Copilot Studio エージェント
  • Dynamics 365 Copilot シリーズ
  • Copilot チャット
  • AI Builder Dataverse ナレッジ
  • Power Apps モデル駆動型アプリ

Dataverse 検索による AI 搭載エクスペリエンスの強化

同期タイミング

  • Dataverse の検索構成や検索対象データに変更を加えた場合、検索サービスに反映されるまで 最大15分 かかることがあります。
  • 組織の規模によっては、完全な同期に 1時間以上、大規模な組織では 数日 かかる場合もあります。

検索語句の制限

  • 検索語句の最大長は 1,024文字 です。

関連テーブルフィールドの扱い

  • 関連テーブルのフィールドは、簡易検索ビューで「列の表示」「検索対象」「フィルター列」として設定可能ですが、Dataverse 検索ではサポートされていないため無視されます

テキスト列の長さ制限

自動同期されないフィールド

  • 計算フィールドやルックアップの更新は、Dataverse 検索では自動的に同期されません。
  • 検索対象フィールドが更新されると、該当レコードのデータが更新されます。

自分の環境に Dataverse 検索を構成する – Power Platform | Microsoft Learn

まとめ

Dataverse 検索を有効にすることで、Copilot StudioやPower Appsでの検索体験が格段に向上します。
特に、ナレッジベースとしてDataverseを活用する場合には、検索精度の高さが業務効率に直結します。

ぜひ、今回の手順を参考にして、環境に応じた設定を進めてみてください!

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