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Claude などの Anthropic のモデルが Microsoft データ保護領域内で利用可能になるスケジュールが公開されました

Message ID: MC1193290, Published: Dec 8, 2025

概要

2026年1月7日から、Microsoft は、Anthropic を Microsoft サブプロセッサとして利用します。この有効化は1月7日には自動的に有効化されます。

もしオプトアウトしたい場合、Microsoft 管理センターで設定することができます。後段こちらの手順も説明しています。

これにより、以前の「Anthropic 独自の商用利用規約とデータ処理契約に基づくオプトイン方式」は廃止され、Microsoft の 製品利用規約データ保護補遺 (DPA) のもとで利用されます。

管理者はこの設定を切り替えることができますが、EU/EFTA、英国、政府クラウドではデフォルトでオフになります。

何が変わるのか

  • 現状(2025年9月〜): Anthropic モデルはオプトイン設定で利用可能(Anthropic の商用規約とデータ処理契約が適用)
  • 2025年12月8日: Microsoft 365 管理センターに新しいトグル追加
  • 2026年1月7日以降: Anthropic モデルが標準で有効化(EU/EFTA、英国は除外)、Microsoft の製品利用規約とデータ保護補遺のもとで提供。Microsoft の監督下で契約上のセーフガードを適用し、技術的・組織的な措置により安全性を確保
  • Microsoft Customer Copyright Commitment (CCC) が適用
  • Anthropic は Microsoft のサブプロセッサとして契約保護下に

タイムライン

以下のようなスケジュールで提供される予定です。

管理者のアクション

Microsoft 管理センターのサブプロセッサーとしての Anthropic は設定としては簡単に有効化することができます。

Anthropic モデルの有効化や無効化は、Microsoft 365 管理センターで行います

オプトインには グローバル管理者ロールが必要です。

手順

1. 管理センターにアクセスし、Copilot → Settings を選択

2. ユーザーアクセスページで「Microsoft サブプロセッサとして動作する AI プロバイダー」を選択

3. 「Anthropic を Microsoft サブプロセッサとして有効にする」をオンに設定

Microsoft Online Services のサブプロセッサとしての Anthropic | Microsoft Learn


OpenAI との比較

これまで提供されている実績のあるOpenAIのモデルとAnthropic のモデルの違いを比較してみました。

基本的な考え方は同じですが、Microsoftのサービスとして提供される(Azure OpenAI Service) OpenAIとAnthropicは契約面で異なっているほか、機能面では特にEUのデータ保護に配慮したリージョン対応があります。ただよく心配に上がるデータの学習に関する点では同じです。

観点OpenAIAnthropic
顧客データ持ち出し禁止
モデル再学習禁止
インフラ(Azure ホスティング)
監査義務
EU・英国リージョン対応
日本国内ホスティング保証(記載なし)(記載なし)

〇 = 顧客にとってメリット(安全性・透明性)

• 両者とも 顧客データの持ち出し禁止モデル再学習禁止Azure 上でのホスティングという点で同等の安全性を提供。

契約構造の違い

    • OpenAI は Microsoft サービスの一部として統合。

    • Anthropic は Microsoft のサブプロセッサとしてオンボード(DPA に基づく監査権限あり)。

監査義務

    • OpenAI は Microsoft 内部監査のみ。

    • Anthropic は Microsoft による監査権限が契約で明記。

リージョン対応

    • OpenAI は EU データ境界対応済み(EU 内で処理)。

    • Anthropic は EU/EFTA・英国で既定無効だが、細かいリージョン選択は不可 → テナント単位で有効化。

日本国内ホスティング保証

    • 現時点で Microsoft Learn に明記なし。モデルは Azure グローバルインフラでホスト。

顧客から見たリスク

    • データ持ち出し・再学習 → リスク低(契約で禁止)。

    • インフラ → リスク低(Microsoft 管理下)。

    • 契約構造 → 違いありだが、顧客のメリットは維持。

用語の説明

Anthropic モデル / Claude

AI 企業 Anthropic が提供する大規模言語モデル群の総称。代表モデルが「Claude」。Microsoft 365 の一部機能で、Microsoft の枠組み下で利用可能。

サブプロセッサ

Microsoft がお客様データの処理を委託する第三者。今回は Anthropic が Microsoft のサブプロセッサとしてオンボードされ、Microsoft の契約・管理下でモデルが提供される。

製品利用規約(Microsoft Product Terms)

Microsoft のクラウド製品に適用される契約条件。サブプロセッサとしての Anthropic を通じたモデル利用にも適用される。

データ保護補遺(Microsoft Data Protection Addendum, DPA)

Microsoft と顧客間のデータ保護・処理に関する追加契約。サブプロセッサ利用を含むデータ取り扱いのルールを定める。

Enterprise Data Protection(エンタープライズデータ保護)

企業向けにデータの安全性・ガバナンスを担保する Microsoft の取り組みや機能群。Geek Fujiwara さんの希望訳に合わせた表記。

Microsoft Customer Copyright Commitment(CCC)

Copilot 生成コンテンツの著作権に関する Microsoft の補償コミットメント。対象製品内で Anthropic モデルを使う場合も適用。

EU データ境界(EU Data Boundary)

EU/EFTA 内のお客様データを EU 内で処理・保存するための Microsoft の取り組み。Anthropic モデルは現時点でこの境界から除外され、EU/EFTA・英国では既定で無効。

商用クラウド

一般企業向けの Microsoft のクラウド環境。日本の商用クラウドでは 2026-01-07 以降、Anthropic モデルが既定で有効化。

政府クラウド(GCC、GCC High、DoD)

米国政府機関向け専用クラウド。Anthropic モデルは現時点では未提供。

ソブリンクラウド

地域・国の主権要件に合わせて設計された分離クラウド。Anthropic モデルは未提供。

FedRAMP

米国連邦政府のクラウド製品・サービスのセキュリティ認証制度。Anthropic モデルは政府クラウドでの提供に必要な要件を満たしていないため未提供。

参考情報

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