Microsoft Power Automate[実践]入門――クラウドフローによる業務自動化の手引きとリファレンス
Power Automateのメニューの中で「ソリューション」を見つけることができます。この[ソリューション]からもフローを作成できます。
実は、「マイフロー」から作成した場合と、「ソリューション」内から作成した場合では、フロー保存の際の動きが違います。
ソリューション については、アプリや自動化の処理フローなど、開発物の集まりで、全体として課題を解決する機能の集まりの概念として前述しましたが、実際に機能として提供されています。
Power Platform の開発物をまとめる単位としてフォルダのような位置づけでソリューションという機能が提供されています。

Power Automate のメニューの中で、「ソリューション」を見つけることができます。
そもそもDataverse (データバース)とは、Power Platform 内のデータベースサービスです。Power Platform 環境にはDataverse がある環境都内環境がありますが、ない環境だと基本的な設定しかできません。
便利な機能はおおよそ Dataverse の保存領域がないと動作しなかったりします。
今回のソリューションに関してもDatavere の保存領域を使います。
というわけで、単なるデータベースサービスではなくPower Platform の便利機能の利用には欠かせない存在なので、Dataverse という名前ぐらいは覚えておきましょう。
このDataverse が環境内にいてくれることで、Power Platform の便利な機能を利用することができます。これが会社によっては既定の環境で有効になっている場合となっていない場合があります。


試しに新しいソリューションを作成してみます。「新しいソリューション」を選択し、以下のように入力します。

ソリューションが作成されました。まだ空の状態なので、何も入っていません。
ここに先ほど作成した天気のフローを追加してみましょう。
既存を追加から辿っていきます。

Dataverse の外部から毎日の天気フローをソリューションに追加します。

毎日の天気フローと接続参照が追加されました。

「つながり参照」と書かれておりますが、接続参照と同じ意味です。接続参照はコネクタの接続情報を保存する場所のことです。フローに関連づけられているため、自動的に追加されました。
ソリューションの中に入れましたので、これで毎日の天気フローを「ソリューションフロー」にすることができました。
ソリューションフローの何が嬉しいかというと主に以下の点が挙げられます。
- バージョン管理
- フローの個数制限
- 親子フロー
- テーマごとにまとめられる
- エクスポート
まずはバージョン管理機能をセットで見ていきましょう。
1. バージョン管理
ソリューションではないフローの場合、「公開」ボタンしか表示されず、すぐに公開となりますが、公開前の下書きの機能が提供されています。
バージョン履歴が表示されるようになります。

こちらをクリックすると、バージョンの履歴を確認することができます。

もしここで下書きをクリックすると、最新バージョン(5:53に作成したフロー)が新しく作成されますが、公開バージョンは前のもの(5:52に作成したフロー)のままです。
実行すると、下書き状態の新しいフローではなく、公開済のバージョンのフローが実行されます。

ここで公開を実行すると、もう一つバージョンが作成されつつ、公開済みのマークが一番上のバージョンに移ります。これで新しいバージョンを利用ユーザーに公開することができました。
