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CoE Starter Kit をウィザードを利用しなから導入する方法 – 最初の作業

どうもギークです。最近はPower Apps の社内展開において、色々な状況のお客様の声をお伺いします。

  • Power Platform をすでに導入し、社内コミュニティも進んできて、運用が回らなくなってきた
  • これから始めるので事前に環境を準備したい
  • 他社もかなり始めており我々もローコードによる業務改善を進めたい

どの方も「ローコードやめようと思う」のようなネガティブなコメントはなく、どう進めていったら良いかわからないというような声が多いのが印象です。

そんなときに便利なCoE Starter Kit があります。

こちらで利用状況の可視化によるチャンピオンの特定や、ガバナンスの自動化を検討してみてはいかがでしょうか。

CoE Starter Kit とは

Power Platform のアドバイザリーチームであるMicrosoft のPower CAT チームが作成したPower Platform で作成されたツール群であり、Power Platform 利用のベストプラクティスが詰まっています。

Power Platform の環境の可視化、問題の特定、利活用推進、運用を効率化/自動化することができます。

Center of Excellence (CoE) Starter Kit – Power Wiki

マネージド環境との違いは?

マネージド環境が2023年10月に一般提供開始されました。

マネージド環境で行えること、CoE Starter Kit で行えることには共通部分がありますが、差があります。

例えば、Power Apps のアプリの共有数を制限することはマネージド環境でしかできない機能です。

このように、マネージド環境はPower Platform 内の標準機能として提供されるため、より密接に結合された体験を提供します。

現在提供されているマネージド環境の機能のうち、ほぼすべての機能はマネージド環境でしか実現できない機能です。

  1. 共有を制限
  2. 週次の使用状況の分析情報
  3. データ ポリシー
  4. Power Platform のパイプライン
  5. 作成者を歓迎するコンテンツ
  6. ソリューション チェッカー
  7. IP ファイアウォール
  8. IP Cookie バインド
  9. カスタマー マネージド キー (CMK)
  10. ロックボックス
  11. 拡張バックアップ
  12. デスクトップ フローの DLP
  13. Azure Application Insights にデータをエクスポートする
  14. Power Platform のカタログ
  15. 既定の環境ルーティング
  16. Copilot でアプリの説明を作成する

しかしながら、「環境リクエスト」の機能や「アイディアからRoI の計算」、「必要なコネクタを設定する機能」等については現在はCoE Starter Kit でしか提供されていないため、用途ごとに両方とも利用して行くことを推奨します

さらにCoE Starter Kit はリファレンスソリューションでありMicrosoft からは正式にサポートされません。つまり、SLAが提供されていません。一方でマネージド環境はMicrosoft から正式にサポートされます。

こちらにも注意を行い、利用を勧めてください。

それではグローバルのベストプラクティスが詰まったCoE Starter Kit をインストールしていきましょう!

なお、こちらではコアコンポーネントについてのインストール方法をご紹介します。

CoE Starter Kit のインストール

CoE Staerter Kit をインストールする環境の選択

CoE用の環境は別で用意することを推奨します。

以下のような理由が挙げられます。

・CoEで利用するDLPポリシーはコネクターを制限 (緩和する必要がある)
・アクセスすることができるユーザーを制限 (CoE で見られる情報は多くのユーザーには開放しない)
・CoE Starter Kit メンテナンス時の本番環境のアプリの影響する可能性を避けるため (可用性)

それでは環境を一つCoE Starter Kit 用にデプロイするところから始めようと思います。

ちなみに、Microsoft の推奨としてはサンドボックス環境と本番環境用に2つの環境をCoE Starter Kit 管理用に準備することを推奨しております。これはアップグレードの検証のためです。

CoE 用の環境のデプロイ

CoE Starter Kit をインストールする環境をデプロイします。

Power Platform 管理センターを開きます。

英語の環境で作成するようにしてください。

Creator Kit、CoE Starter Kitはすべて英語の言語で作成されます。

環境が作成されました。

DLPポリシーが設定されている場合、以下の接続を利用しますので許可するようにしてください。

  1. 承認
  2. Azure Resource Manager
  3. HTTP
  4. Azure AD を使用した HTTP
  5. Microsoft Dataverse
  6. Microsoft Dataverse (レガシ)
  7. Microsoft Teams
  8. Office 365 グループ
  9. Office 365 Outlook
  10. Office 365 ユーザー
  11. Power Apps for Admins
  12. 作成者向け Power Apps
  13. Power Automate for Admins
  14. Power Automate 管理
  15. Power Platform for Admins
  16. Power Query データフロー
  17. RSS
  18. SharePoint

CoE スターター キットを設定する – Power Platform | Microsoft Learn

CoE Creator Kit のインストール

CoE Creator Kit をAppSource というマーケットプレイスからインストールします。

環境に入り、AppSource を開きます。

AppSourceでは、まずはじめにメールアドレスを入力してサインインします。

検索してCreator Kitを入手します。

Creator と入力すると推奨されるかと思いますので、ピンク色のアイコンのCreator Kit を選択します。

作成者が以下であることを確認します。

作成者: Microsoft Corp – Power CAT

今すぐ入手します。

環境を選択して同意、インストールをクリックします。

インストール済みとなったことを確認します。

CoE Starter Kit のインストールウイザードを含むコンポーネントを環境に準備

CoE Starter Kit のインベントリコンポーネントをGitHubから取得し、ソリューションのインストールを実行していきます。

CoE Starter Kit のコンポーネントはこちらから入手できます。ダウンロード

公式のガイドはこちらにあります。
インベントリ コンポーネントの設定 – Power Platform | Microsoft Learn

ダウンロードしたKit は、ダウンロードフォルダなどにアーカイブを展開しておきます。

Power Platform 管理センターに戻ります。

Power Apps をランチャーから開きます。

ここから、接続情報が競合することを防ぐためにInPrivate ブラウズモードで設定することを推奨します。

環境をCoE に切り替えます。

先程のソリューションをインポートします。

以下のCoreComponentをインポートします。

バージョンは異なる場合があります。従いまして、ファイル名は以下のような条件で名前がつけられているものを選択してください。
CenterOfExcellenceCoreComponents_x_x_x_xx_managed.zip

接続のウイザードではHTTP with Azure ADがエラーとなるかと思いますので、そこだけ修正します。URLはともに以下の値にします。

https://graph.microsoft.com/

後でウイザードで設定できるため、環境変数には何も入力せずインポートを続けます。

20分程度でインポートが完了します。

インポートが完了すると以下のようなメッセージに切り替わります。基本的にブラウザの更新を行う必要はありません。

インストール中に管理者グループを作成

通知用の管理者グループを作成しておきます。

Microsoft 365 管理センターを起動して、グループをセットアップします。

Microsoft 365 グループを作成します。

例えば以下のように名前をつけておきます。

所有者を設定します。

「次へ」と進み、メンバーを追加します。

メールアドレス名を入力してプライバシーをプライベートとして設定します。Teams は任意項目です。

最後に確認してグループを作成します。

同じような操作で、Power Platform Maker グループとPower Platform User グループを作成しておきます。

CoE セットアップウィザード

Power Apps Maker ポータルに戻ります。

アプリからセットアップウィザードのアプリを探して起動します。再生ボタンから起動する必要があります。

接続を許可します。

次へを選択します。

一つずつ設定していきます。

Admin グループは以下のように設定します。

設定ができましたら次に進みます。

先程設定しなかった環境変数が自動で入力されます。このまま次に進むことができます。

クラウドフローで収集するかAzure Data Lakeへのエクスポートかを選択します。

フローを選択した場合、フローを有効にする手順が表示されます。

今回はフローで実施します。

フローの実行が完了するのを待ちます。約15分程かかります。こちらはRefreshボタンをクリックしてステータスを確認する必要があります。

完了したら次へをクリックします。

ここの「次へ」の読み込みがやたら長くかかります。

ビジネスプロセスフローの有効化

ビジネスプロセスフローは既定ではオフになっています。

ソリューションからマネージド ソリューションに存在している Conter of Excellence – Core Components のソリューションを開きます。

こちらに入っているプロセスを確認します。

こちらを一つずつ開いて有効化します。

Active を選択します。

オンにしてからブラウザを更新するとこのように状態はオンになります。

ここまででセットアップは完了です。

Power BI ダッシュボードの設定

次にPower BI のダッシュボードのセットアップを行います。テナント全体の可視化に利用できます。

ステップ内にガイドが用意されています。

上記ウイザードのステップに記載されているリンクは以下のとおりです。

CoE Power BI ダッシュボード – Power Platform | Microsoft Learn

Setup Instructions – CoE Starter Kit – YouTube

Power BI ダッシュボードの設定 – Power Platform | Microsoft Learn

Power BI ダッシュボードの種類

フロー経由でのデータ取得でDataverse にデータが取得されているか、Azure Data Lake にデータが取得されているかによって選択するPower BI のファイルが異なります。

  • Power Platform インベントリ データ ソース が クラウド フロー経由で取得される場合は、Production_CoEDashboard_MMMYY.pbit ファイルを使用します。
  • Power Platform インベントリ データ ソース が データ エクスポート経由で取得される場合は、PBYODL_CoEDashboard_MMMYY.pbit ファイルを使用します。

環境URLの取得

環境URLはPower Platform 管理センター等から取得できます。

環境にアクセスして以下のURLを取得します。

Power BI サービスにてワークスペースを作成

Power Apps 画面のランチャー機能より、Power BI サービスを開きます。

ワークスペースを作成します。

今回はCoEという名称にします。

Power BI デスクトップアプリのダウンロード

もし持っていない方は、Power BI Desktop アプリのインストールを行います。

マイクロソフトストアからダウンロードすることによってアップデートを簡単に行えるようにできます。

レポートのファイルを開く

先程コピーした環境URLをペーストして読み込みます。

環境をデプロイしたアカウントでログインします。数分で読み込まれます。

以下のテンプレートレポートが読み込まれます。

インベントリのDriver フロー実行完了には時間がかかるように設計されていますので、開始後15時間以降であればDataverse にデータが連携されPower BI レポート内のデータを確認することができます。

これはDataverse への負荷を下げるために設計されています。

Power BI レポートをPower BI サービスに発行します。

名前をつけて保存します。

発行先を先ほど作成したワークスペース「CoE」を選択します。

Power BI サービス側にレポート、データセットが生成されます。

データセットの更新頻度の設定をします。

資格情報を更新します。

設定を変更して更新します。

更新頻度を設定します。

その後適用を行います。

Power BI レポートをCoEのチームで閲覧できるように共有を行います。

ワークスペースに戻り、ワークスペース アクションボタンの「…」を選択します。

アクセスの管理を選択します。

ユーザーまたはグループの追加を行います。

ワークスペースの管理者として権限を追加します。

ここで利用するユーザーメールアドレスは、Power Platform Admin として設定したグループを利用することを推奨します。

権限の確認

権限を付与したMicrosoft 365 グループの別のユーザーでアクセスしてみると、レポートにアクセスできることがわかります。

これでPower BI の設定は完了です。

メモ

時間が経つとこのようにレポートにデータが連携されて可視化できます。

追加のコンポーネントをインストール

ウイザードのPower Apps モデル駆動型アプリに戻ります。Power BI の設定ステップから次へを選択して進めるとCongratulations と表記されていることがわかります。ここまででコアコンポーネントの設定は完了です。

Explore more Futuresと進むと、以下のようなコンポーネントがまだインストールされていないことがわかります。

こちらのインストールを実行するには、それぞれのリンクをクリックすることで実行方法が表示されます。

次に有効化する機能

次にコアコンポーネントの中でまだ有効化されていない以下の2つの機能を有効化することを推奨します。

それぞれ以下の手順で有効化することができます。

もしバグを発見したら

CoE Starter Kit のバグを発見したら、Microsoft からそれに対してSLAがあるわけではありませんが報告するサイトがGitHub上に提供されています。こちらに報告してください。

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