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title: "AI CoE の最初の KPI は「外注費の削減」― 現場のユースケースから始めない"
url: "https://www.geekfujiwara.com/ai-coe/9485/"
author: ギークフジワラ
published: "2026-10-26T20:07:37+00:00"
updated: "2026-10-26T23:41:12+00:00"
categories: [AI CoE]
tags: [AI CoE, AI 駆動開発, Code apps, Power Platform, 内製化, 開発標準]
description: "AI を使った開発で、AI CoE は自社でアプリを作れるようになりました。最初にやるべきことは、現場からユースケースを集めることではありません。外注費を棚卸しし、内製できるものから削減額を経営に見せることです。"
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# AI CoE の最初の KPI は「外注費の削減」― 現場のユースケースから始めない

AI を使った開発で、アプリを作るハードルは大きく下がりました。これからは、**AI CoE（AI の推進組織）が外注費を棚卸しし、内製で削減して効果を出す時代**です。

AI CoE の全体像（本部と事業部の分け方、5 つのステップ、読む記事の順番）は、こちらにまとめました。

https://www.geekfujiwara.com/ai-coe/9549/

この記事では、AI CoE が最初に何をすべきかを、私の考えとしてまとめます。結論は 1 つです。

> [!IMPORTANT] 現場のユースケースから始めない。外注費の棚卸しから始める。

{.point}
- なぜ「現場の声を聞く」から始めると、うまくいかないのか
- 日本企業に「外注費の削減」が合う理由
- どの外注費を棚卸しし、どれから内製するのか
- AI 駆動開発と開発標準で、品質を自社で担保する方法
- 削減額を経営に見せ、AI 活用を経営の議題にする

## 現場のユースケースから始めると、なぜうまくいかないのか

AI の取り組みを始めるとき、まず「現場のユーザーからユースケースを聞く」ことがよくあります。現場の声に耳を傾けるので、正しいやり方に聞こえます。

でも、ここから始めるのは==間違い==だと私は考えています。

{.check}
- 現場から出てくるのは、日々の小さな困りごとです。1 つ 1 つの効果が小さく、数字で示しにくいです。
- 効果が **BS・PL（貸借対照表・損益計算書）** に表れないので、経営の議題になりません。
- 議題にならないので、予算も人もつかず、取り組みが広がりません。

経営は、コストの効果で判断します。BS・PL に表れるかどうかです。現場の改善ももちろん大事です。ただ、それだけでは優先順位が下がってしまいます。

## 日本企業に合うのは「外注費の削減」

AI で業務を効率化しても、日本企業では人を減らすことは簡単ではありません。雇用を守る労働法制と慣行があるからです。「AI で人件費を減らす」という効果は、数字にしにくいのです。

そこで目を向けるのが**外注費**です。外注費は、内製に切り替えた分だけ、そのまま PL の費用が減ります。人を減らさずに、確かなコストの効果を出せます。

![外注費の一覧を棚卸しし、内製できるものを選ぶイメージ](https://www.geekfujiwara.com/wp-content/uploads/2026/10/4C3D0124-3596-4A1C-986D-A5A4ECAD5A85-1024x683.webp)

### 棚卸しする外注費

| 外注費の種類 | 例 |
| --- | --- |
| コンサルティングの費用 | 要件定義を外部のコンサルに頼んでいる |
| SaaS の利用料 | 一部の機能しか使っていないのに、毎年払っている SaaS |
| 既存システムの保守・運用の委託 | 小さな改修のたびに外部に見積もりを取っている |
| セキュリティの見直し | オンプレミスで、セキュリティの状態があいまいなシステム |
| インフラの入れ替え | サーバーやソフトウェアのサポート終了（EOS）で、入れ替えが必要なシステム |
| 新しいシステムの開発 | 外部に見積もりを取ったら 1,000 万円かかる、と言われたシステム |

### このリストは、現場ではなく情報システム部門にある

ポイントは、このリストが==現場から出てくるものではない==ことです。

既存のシステムの一覧や、新しく導入を検討しているシステムの一覧は、**情報システム部門**や、**システムの導入を検討している部門**が管理しています。契約の更新日や、保守の費用、見積もりの金額もそこにあります。

AI CoE が最初にやることは、このリストを手に入れることです。

## 内製するものを選ぶ

リストを手に入れたら、AI CoE が内製で作れるものを選びます。いきなり全部をやるのではなく、順番を決めます。

```mermaid
flowchart LR
  A[外注費の一覧を<br>情報システム部門から入手] --> B[AI CoE が<br>内製できるものを選ぶ]
  B --> C[優先順位 1 を<br>自分たちで作る]
  C --> D[削減額を<br>経営に見せる]
  D --> E[対象を広げる]
```

### 優先順位 1 の条件

最初の 1 件は、次の条件をできるだけ満たすものにします。

{.check}
- **短い期間で作れる**
- **難しくない**
- **ほかのシステムとのつながりが少ない**
- **データの移行が簡単**
- **コストのメリットがはっきりしている**（外注の見積もりや、SaaS の年額が分かっている）

> [!TIP] 「コストをかけてでもやるべき」ものを選ぶ
> 内製にも、ライセンスや人の時間のコストがかかります。それでも外注費より安く、早くできるものを選びます。選んだものは、AI CoE が予算を使ってでも進める価値があります。

### 買っているシステムを作り直す（SaaS 製造）ときのポイント

一覧に SaaS や委託のシステムがあれば、自分たちで作り直して置き換える **SaaS 製造**の候補です。対象を選ぶときは、次の点を見ます。

{.check}
- **業務システムの層を選ぶ**：組織で使っている業務システムが対象です。基幹系と法令対応のシステムは、監査の観点から最初は外します。
- **そもそも Cowork で済まないか**：個人の生産性のための仕事は、アプリを作らず Cowork に任せます。
- **1 つ目は全社で使うもの**：Power Apps Premium は人に付くライセンスなので、1 つ目で買った Premium が 2 つ目以降の土台になります。
- **置き場所と守りはプラットフォームに任せる**：GitHub Copilot で作ったアプリを Code Apps で動かせば、ログイン・データへの接続・DLP を Power Platform が受け持ちます。

同心円の分類図、コストの試算の考え方、CRM を作り直す例は、こちらにまとめました。

https://www.geekfujiwara.com/tech/powerplatform/9527/

## AI 駆動開発と開発標準で、品質を自社で担保する

内製で一番心配されるのは、品質とセキュリティです。ここで効くのが、**自社の開発標準を持ち、それに沿って AI に開発させる**やり方です。

これまで、外注したシステムは次のような手順で品質を確かめていました。

{.point}
- セキュリティのチェックシート
- 品質のチェック
- リリース前の審議会での確認

これらの中身を、==開発標準として先に書いておき、AI がそれに沿って作る==ようにします。そうすれば、毎回のチェックの観点が最初から作り込まれた状態で、品質の高いアプリを作れます。

私は、このための開発標準とスキルを GitHub で公開しています。開発は、開発標準のカスタムエージェント **@GeekPowerCode** に、作りたいものを伝えるのが基本です。必要なスキルが選ばれ、設計・Dataverse・画面・デプロイまで、標準に沿って進みます。これを土台にすると、AI 駆動開発を自社の標準に合わせて始められます。準備から使い方、AI CoE が「自社の標準」としてコピーして持つ方法までは、こちらにまとめました。

https://www.geekfujiwara.com/tech/powerplatform/8554/

## ライセンスのコストも見込む

AI 駆動開発で作る Power Apps の Code Apps は、使う人に **Power Apps Premium** のライセンスが必要です。Microsoft 365 に含まれる範囲で作るアプリより、費用がかかります[^1]。

なので、==どんなアプリにも使うわけではありません==。外注費や SaaS の費用と比べて、ライセンスの費用を払っても削減になるものを選びます。これが、最初に棚卸しをする理由でもあります。

https://www.geekfujiwara.com/tech/powerplatform/1398/

どの道具でどの仕事を変えるか、GitHub Copilot・Cowork・Copilot Studio・Agent Builder の使い分けはこちらにまとめました。

https://www.geekfujiwara.com/copilot/9491/

## まず自分たちで作り、肌感覚をつかむ

優先順位 1 のアプリは、まず AI CoE が自分たちで作ってみます。

一番大事なのは、==自分たちがどれぐらい作れるのかの肌感覚==をつかむことです。どれぐらいの期間で、どれぐらいの品質のものが作れるのか。これが分かると、次にどの外注費を内製に切り替えられるかを判断できます。

## 削減額を経営に見せる

作ったら、外注費がどれだけ下がったかを経営に見せます。

{.steps}
1. 外注していた場合の費用（見積もり、SaaS の年額、保守の費用）を出します。
2. 内製にかかった費用（ライセンス、人の時間）を出します。
3. その差を、削減額として BS・PL の言葉で示します。

コストの効果が見えると、AI の活用が経営の議題になります。予算と人がつき、対象を広げられます。

さらに、「AI を使って内製でコストを下げている会社」として社外に発信できます。採用や取引先からの評価にもつながります。

## まとめ：すべての企業が、すでにソフトウェアの会社になった

{.check}
- AI CoE の最初の KPI は、**外注費の削減**です。
- 現場のユースケースから始めず、情報システム部門が持つ**外注費の一覧**から始めます。
- 優先順位 1 は、短期間で作れて、つながりが少なく、移行が簡単で、コストのメリットがはっきりしたものです。
- 自社の開発標準に沿って AI に作らせ、品質とセキュリティを担保します。
- まず自分たちで作って肌感覚をつかみ、削減額を経営に見せます。

AI の時代になり、すべての企業が内製できる会社、つまり==ソフトウェアの会社==になりました。そのことを自覚して、考え方を変えるときです。

内製を進めると、これまでのパートナー企業との関係も変わります。何を頼み、どう組むかは、こちらにまとめました。

https://www.geekfujiwara.com/ai-coe/9553/

業務の課題を見つけるところから学びたい方には、こちらの講座がおすすめです。

[udemy_coupon_box course="copilot-power-platform"]

[^1]: [Power Platform licensing FAQs](https://learn.microsoft.com/power-platform/admin/powerapps-flow-licensing-faq#power-apps)（Microsoft Learn）
